「ビジネス書を電子化するなら?読みやすさがグッと上がるフォーマット選び完全ガイド」
はじめに
スマートフォンやタブレットの普及によって、電子書籍はアナタのすぐそばにある存在になりました。
紙の本に代わって、電子版でビジネス書を出版したいと考える方も増えていますよね。けれど、その第一歩としてぶつかるのが「どのフォーマットを選べば読みやすく仕上がるのか?」という大きな悩み。
実は、フォーマットの選び方ひとつで、本の読みやすさも、伝わり方も、読者の評価までもが変わります。
電子書籍の制作に少しだけ丁寧な工夫を加えるだけで、アナタのメッセージはより自然に、より深く、読者の心に届いていくのです。
この記事では、2025年5月現在の公式情報や出版業界の最新動向をもとに、ビジネス書の電子化で失敗しないための「読みやすく伝わりやすいフォーマット選びの極意」を、余すことなくお届けします。
専門的な内容もやさしく解説しながら、実際に役立つコツや意外と知られていない裏技まで、アナタと一緒にじっくり見ていきましょう。
1 電子書籍で使われる主なフォーマットとその特徴
電子書籍を出版する最初の関門、それが「どのフォーマットを使うか」という選択です。
この段階で方向性が定まると言っても、決して大げさではありません。
フォーマットによって、読みやすさも、見た目も、使い勝手も変わります。ここでは、それぞれの代表的な形式を丁寧に整理しておきましょう。
・EPUB
国際的に広く使われている電子書籍の標準フォーマットで、多くのプラットフォームが対応しています。
リフロー型という特性を持ち、読む人の端末サイズに合わせて文字やレイアウトが自動で最適化されます。小説やビジネス書のように文章が中心の本にはぴったりです。
・ファイル容量が軽く、スマホでも読みやすい
・文字サイズや背景色の変更が可能で、視認性も高い
・将来的なアップデートや多言語展開にも適応しやすい
・PDF
紙の本と同じように、レイアウトを完全に固定して表示できるのが特徴です。写真や図解が多い本に向いており、特にビジュアルを重視する内容に適しています。
ただし、スマホで読むと文字が小さく、読みにくくなることもあるので注意が必要です。
・印刷用のペーパーバックとしての利用が主流
・図表や装飾にこだわるビジネス書との相性がよい
・電子配信向けにはやや制限あり
・KPF(Kindle Create Format)
Amazonが提供する無料の制作ツール「Kindle Create」で作成できるフォーマットです。
目次や見出しが自動で整理されるため、はじめて電子書籍を作る方にとって大きな助けになります。
・Word原稿を取り込むだけで、体裁が整う
・表紙画像や図の挿入もスムーズ
・Kindleプレビュー機能と連動し、仕上がりを確認しやすい
・MOBI/AZW
MOBI形式はすでに新規サポートが終了しており、現在はEPUBまたはKPFを選ぶのが基本です。
AZW形式はAmazon独自の変換形式で、著者自身が操作することはありません。
・古い資料にMOBIが記載されていても、今は使用を避けるべき
2 ビジネス書にはどれが最適?目的別フォーマットの選び方
ビジネス書とひと口に言っても、目的や構成、読者層によって選ぶべきフォーマットは異なります。
「なんとなくこれが主流らしい」という理由ではなく、アナタの本の中身や伝えたい思いに合わせた選び方をすることが、成功へのカギになります。
・文章中心のビジネス書
最もおすすめなのがEPUBまたはKPFです。リフロー型なので、読者が自分に合った文字サイズやレイアウトで快適に読めます。
さらに、さまざまな端末での互換性も抜群。年齢層や読み方を問わず、安心して届けられます。
・長文が読みやすく、集中して読める
・どのプラットフォームでも読み崩れしにくい
・図解やイラストが多い解説型ビジネス書
図表や写真が多い本では、固定レイアウトのPDF形式が力を発揮します。紙と同じ感覚で読めるため、ビジュアルの構成にこだわりたいアナタに最適です。
・構造が崩れず、意図通りに見せられる
・ただし、スマホでは文字が小さくなりやすいため、ペーパーバック用途やPC閲覧を想定
・Kindle向けに初めて出版する場合
不安がある方や、初挑戦のアナタにはKPFが心強い味方になります。Word文書から簡単に電子書籍が完成し、しかも見栄え良く仕上がります。
・テンプレートで迷わず制作できる
・自動目次やプレビュー機能が非常に便利
【よくある質問】
Q:古い参考書で「MOBI」と書かれていたのですが?
A:現在はMOBIは使われておらず、EPUBまたはKPFを使うのが安心です。
3 読みやすさを左右する!フォーマット活用のコツと裏技
フォーマットを選ぶだけでは不十分です。
どんな形式でも、使い方次第で読みやすさは大きく変わります。アナタの思いを確実に届けるために、次のような工夫を取り入れてみてください。
・必ず複数のデバイスで表示を確認
KDPのプレビュー機能や無料の電子書籍リーダーを使って、スマホ・タブレット・PCなどさまざまな画面での見え方をチェックしましょう。
・誤字や体裁のズレを未然に防げる
・読み手の立場に立つ目線が養われる
・見出しや文字の統一感を大切に
見出しのデザインや色づかいがバラバラだと、読み手の集中力はあっという間に途切れてしまいます。
シンプルで統一された見た目は、安心感を与え、文章の内容にも自然と集中できるようになります。
・過度な装飾よりも、読みやすさを優先
・文字の大きさ、行間、色のバランスを丁寧に整える
・画像の解像度は慎重に設定
高すぎるとファイルが重く、低すぎるとぼやけてしまいます。KDPが推奨する「縦1400ピクセル以上、300dpi前後、1MB以内」の範囲を守るのがポイントです。
・表や図は画像化し、事前にチェックを
・PDFを使うときは特に見やすさを意識
スマホでの閲覧が難しくなるため、文字を大きめに設定したり、余白を広く取るといった工夫が欠かせません。
読者のストレスを軽減し、最後まで読んでもらうために、紙以上の「見やすさ」が求められます。
【ちょっとした裏技】
・KDPの「Send to Kindle」機能で、自作のEPUBを実機確認できる
・Word文書をKPFに変換する場合、最初に見出しスタイルを正しく設定しておくと、レイアウトが自動で整うので作業が格段に楽になります
4 フォーマット選びがもたらす4つのメリット
フォーマットを正しく選ぶことには、想像以上に多くの価値があります。
読者にとっての読みやすさだけでなく、アナタ自身の出版活動にも良い影響が広がっていくのです。
① 読みやすさが格段にアップし、内容に集中できる
文字やレイアウトが自分に合っていれば、読者はスムーズに本の世界に入り込めます。特にEPUBやKPFのようなリフロー型は、読者に寄り添う設計が魅力です。
② 読者の満足度が上がり、自然と評価も伸びる
読みやすい本は、途中で手放されにくく、最後まで読まれやすくなります。
それがレビューや感想につながり、SNSでのシェアや再購入にもつながっていきます。
③ 配信プラットフォームとの相性がよく、安心して展開できる
EPUBやKPFなら、Amazonや楽天、Appleなど主要な電子書店で問題なく扱えます。
表示崩れやデータ不具合の心配も減り、制作後のトラブルも最小限に抑えられます。
④ 次の出版に向けた信頼の土台になる
読者から「読みやすい」と評価された一冊は、次の作品への期待につながります。
アナタの名前が「信頼できる著者」として定着し、フィードバックや読者の声も自然と集まりやすくなるでしょう。
【体験談】
「最初はPDFで出版しましたが、スマホで読みにくいという声が多くて……。EPUBに切り替えたら、レビューの評価が一気に上がりました」
こうした声は、電子書籍の制作現場でも本当によく耳にします。
おわりに
電子書籍のフォーマット選びは、アナタの知識や思いを正確に、そして心地よく届けるための大切な準備です。
ビジネス書であれば、基本はEPUBリフロー型か、Kindleに特化したKPFを選ぶのが安心です。PDFは紙と同じイメージで読ませたいときだけに限定するのが安全な選択と言えます。
もし迷ったときは、「どの読者が、どんなデバイスで読むのか?」を想像してみてください。
そして、ほんの少しの工夫とこだわりを加えることで、アナタのメッセージは、きっとまっすぐ届いていきます。
最後に、この2つだけは覚えてください。
「迷ったらEPUB」「Kindleに出すならKPFもアリ」。この基本があれば、アナタのはじめての電子書籍出版も、きっとスムーズに進んでいきます。
アナタのビジネス書が、たくさんの人に読まれ、役立ちますように。
参考・出典
・Amazon KDP公式ヘルプ(2025年5月版)
・楽天Kobo作家センター
・W3C EPUB標準仕様
・Amazon「Send to Kindle」EPUB対応情報
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※画像はイメージです