意外とカンタン♬電子書籍の出版「難しいと思ってたんでしょ！そんなコトないですヨ☺」その８５０
～Kindle出版で売れないのはなぜ？KDP電子書籍を確実に収益化する「９つの秘訣」〜

「Kindle出版で売れないのはなぜ？KDP電子書籍を確実に収益化する『９つの秘訣』」

 

 

 

はじめに

素晴らしい専門知識や独自のノウハウを持っているのに、いざAmazon KDP（Kindleダイレクト・パブリッシング）で電子書籍にしてみると思うように売れない。
そんなもどかしい悩みを抱えていませんか？

「中身には絶対の自信があるのに、どうして誰も読んでくれないんだろう……」

一生懸命書いたあと、反応がない画面を見るのは、正直かなり落ち込んでしまいますよね。
でも、安心してください。
実は、その原因の多くは知識の質そのものではなく、「どう見せるか」「どう届けるか」という伝え方と出版戦略の部分に隠れています。

Kindle本の読者が求めているのは、難しい理論の羅列ではありません。
その知識によって得られる「明るい未来」や「悩みの解消」なのです。
そして、その読者に巡り合うためには、Amazon Kindleストアなどの売り場の仕組みを少しだけ理解すればいいのです。

ここでは、専門家の自己満足にならず、読者にしっかりと届き、確実に売れるビジネス書や実用書を作るためのKindle出版の方法を徹底的に解説します。
アナタの持つ価値ある情報を、きちんとお金と信用を生み出す形に変えていきましょう。
未来のベストセラー作家への第一歩、ここから始まりますよ。

1 Kindle出版で専門知識があっても売れない「壁」の正体とは

一生懸命に時間をかけて原稿作成した本が、思ったように売れないとき。
まず疑うべきなのは、内容の良し悪しではなく、「読者目線になれているか」という根本的な視点です。

KDPで出版するビジネス書や実用書の著者は、「この正しい知識を世の中に伝えたい」「網羅的にすべてを書きたい」という情熱が強くなりがちです。
しかし、実はその熱意が、かえって読者を遠ざけてしまう大きな原因になっているケースが少なくありません。

・読者は「知識」そのものではなく、その先にある「結果」にお金を払います

読者がAmazonサイトやKindleストアで本を探すとき、彼らの頭の中にあるのは「この著者の知識は素晴らしいか？」ということではありません。
「自分のこの悩みは解決するのか？」「これを読めば自分はどう変われるのか？」という、自分自身の未来への期待です。

どれだけ高尚な学術的知識であっても、それが「自分の役に立つ結果」としてイメージできなければ、財布の紐は固いままなのです。
もしアナタが本を選ぶ立場なら、やっぱり「自分の役に立つ本」を優先しますよね？

・専門家の「伝えたい」と、読者の「知りたい」にはズレがあります

専門家は体系的な理論や背景から順序立てて説明したくなりますが、電子書籍の読者はもっと即物的に「手っ取り早い解決策」を求めていることが多々あります。
「正しいこと」を書くのが正解とは限りません。
読者が求めているのは、教科書的な正しさよりも、今の苦しみを和らげてくれる「処方箋」のような情報なのです。

・パッケージング（見せ方）が悪ければ、中身までたどり着いてもらえません

どんなに美味しい料理でも、見た目が悪ければ食欲がわかないのと同じで、Kindle本も「見た目」が勝負です。
表紙デザイン、タイトル、紹介ページのキャッチコピー。
これらが読者の心に刺さらなければ、そもそも中身のページを開いてすらもらえません。
「中身を読めばわかるはず」というのは著者の願望であって、読者はそこまで根気強くはないという現実を直視する必要があります。

このように、「Kindle出版で売れない壁」の正体は、知識不足ではなく「読者への歩み寄りの不足」であることがほとんどです。
自分がいかに素晴らしい知識を持っているかではなく、読者がいかにハッピーになれるかを徹底して考えること。
この視点の切り替えこそが、KDPにおける収益化への第一歩となります。

Q 専門性が高い内容なら、誰かが評価してくれるのではないでしょうか？

A 残念ながら、中身を見る前にスルーされてしまうのが現実です。
読者は表紙やタイトル、目次を見て「これは自分の役に立つか？」を瞬時に判断します。
難解な専門用語が並んでいるだけで、「自分には関係ない難しい本だ」と判断され、検索結果のページから戻られてしまうのです。
まずは「これは自分のための電子書籍だ」と感じてもらうパッケージングが必要不可欠です。

この章のポイント
・読者は「正しい情報」よりも「悩みが解決した未来」にお金を払うと心得る
・専門用語を並べるだけの「教科書」は、一般のKindleユーザーには響きにくい
・自己満足を捨てて、徹底的に「読む人にとってのメリット」を考える

2 電子書籍の読者が「自分ごと」として捉えるKDP出版の工夫

多くの人に読んでもらいたいからといって、「すべてのビジネスパーソンへ」といった広いターゲット設定をしてはいませんか？
実は、「誰にでも役立つ」というコンセプトは、裏を返せば「誰にとっても切実ではない」ということになりかねず、結果として誰の心にも響かない本になってしまいます。
大切なのは、特定の誰かに向けて手紙を書くように、ターゲットを絞り込む勇気を持つことです。
これはビジネススキルに限らず、「片付け術」や「節約レシピ」、「子育ての悩み」といった身近な実用書ジャンルでの個人出版でも全く同じことが言えます。

・ターゲットを絞り「自分ごと化」させることで、深く刺さるようになります

たとえば「片付けの本」とするよりも、「物が捨てられないシニア世代のための、思い出を大切にする生前整理」と呼びかけた方が、該当する人は「これはまさに自分のことだ！」と強く反応します。
思わず「私のことが書いてある！」とドキッとするような感覚です。
このように具体的に絞り込むことで、読者は本を他人事ではなく「自分を救ってくれるアイテム」として認識してくれるのです。

・ニッチな悩みに絞ることで、Amazonランキングや検索で見つかりやすくなります

「営業」や「ダイエット」といった大きなキーワードは競合が多すぎて、アナタの電子書籍が埋もれてしまいます。
しかし、ターゲットを絞れば「口下手 営業 克服」や「産後 ダイエット 自宅」のような具体的なキーワードで検索されたときに、上位に表示される可能性が高まります。
数多くのライバルの中で埋もれず、本当に困っている見込み客にダイレクトに届くようになるのです。

・「濃いファン」が生まれ、熱量の高い口コミが増えやすくなります

自分の深い悩みをズバリ解決してくれた本に対して、読者は強い感謝を抱きます。
「私の気持ちをわかってくれた」という感動は、熱量の高いレビューやSNSでの口コミにつながります。
広く浅く売るよりも、特定の少人数に深く刺さる方が、結果として信頼性の高い評価が積み上がり、長期的な売上やKindle Unlimitedでの既読数につながっていくのです。

ターゲットを絞ることは、読者を切り捨てることではありません。
むしろ、本当にアナタの知識を必要としている人に、確実に届けるための優しさでもあります。
「この本は、私のために書かれたんだ」と読者が思わず抱きしめたくなるような、鋭いテーマ設定を心がけてみてください。

Q ターゲットを絞ると、読者の数が減ってしまう気がして怖いです。

A 確かに分母は減りますが、購入や利用に至る確率（成約率）は格段に上がります。
なんとなく通り過ぎる100人よりも、確実に財布を開いてくれる1人のファンを作る方が、Kindle出版の収益化においては重要です。
さらに、深く刺さった読者はアナタの「濃いファン」になり、長期的な関係を築きやすくなります。

この章のポイント
・「皆さん」ではなく「アナタ」に向けたテーマ設定にする
・絞り込むことでAmazon検索に強くなり、必要な人に届きやすくなる
・広範囲に薄く売るより、特定の層に深く刺す方がファン化しやすい

3 「今すぐKindle本が欲しい！」と思わせるタイミングの捉え方

人が「これ買わなきゃ！」と行動を起こすのは、どんなときでしょうか。
それは、「いつか役立つかもしれない」とのんびり考えているときではなく、「今すぐなんとかしたい悩み」に直面しているときです。
読者の生活の中にある「緊急度」を意識することで、アナタの電子書籍の価値は何倍にも跳ね上がります。

・「今すぐ解決したい」という緊急度の高い悩みを捉えましょう

読者が切実に求めているタイミングや状況に合わせてテーマを設定することで、購入のハードルを一気に下げられます。
たとえば、「将来のための英会話」よりも、「来月の海外出張で恥をかかないためのサバイバル英語」の方が、読者は切迫感を持っています。
「今すぐどうにかしたい」という痛みや不安に寄り添うテーマは、理屈抜きで手に取ってもらえる強い動機になるのです。
「これがないと困る！」という状況ですね。

・強い悩みから救うことで、著者への絶対的な信頼が生まれます

緊急事態を助けてくれた人に対して、私たちは深い感謝と信頼を覚えます。
本も同じで、本当に困っているときに助けてくれた一冊は、読者にとって特別な存在になります。
「この先生のおかげで助かった」という強烈な原体験は、単なる読者を超えて、アナタの信者（ファン）になってもらえる絶好のチャンスでもあるのです。

・本を入り口にして、バックエンド商品への興味を高められます

緊急の悩みが解決した読者は、次に「もっと学びたい」「根本的に変わりたい」という意欲を持ちます。
そのタイミングで、セミナーやコンサルティング、あるいはより詳しい次作などの「バックエンド商品」を案内すれば、スムーズに購入につながります。
単発で電子書籍を売って終わりではなく、読者の成長に合わせて次のサービスを提供することで、KDP出版からの収益は最大化していきます。

「いつか」ではなく「今」に焦点を合わせること。
それは読者の「助けて！」という心の声に耳を傾けることです。
タイミングを逃さず、一番必要な瞬間に解決策を差し出すことができれば、アナタの本はなくてはならないバイブルとして愛され、アナタ自身も「頼れる専門家」としての地位を確立するでしょう。

Q 電子書籍を作るには時間がかかるので、トレンドやタイミングを合わせるのが難しいです。

A 紙の出版は時間がかかりますが、KDP（Kindleダイレクト・パブリッシング）やブログ、SNSでの発信なら即時性があります。
また、「時代に左右されない普遍的な悩み（人間関係、お金、健康など）」の中で、特に「痛みが強い瞬間」を切り取ることは可能です。
流行を追うだけでなく、人が「急いで解決したい」と感じるシチュエーションを想像してみましょう。

この章のポイント
・「いつか」ではなく「今」必要なテーマを選ぶ
・緊急性の高い悩み解決は、著者への強い信頼感を生む
・Kindle本を入り口にして、その後のサービスや商品へつなげる意識を持つ

4 Amazon KDPの仕組みとランキングを味方につける出版方法

どれだけ良い本を書いても、読者の目に触れなければ存在しないのと同じです。
特にAmazonなどのネット書店で売る場合、人間だけでなく「機械（アルゴリズム）」にも気に入られる必要があります。
巨大な本棚の中で、アナタのKindle本をキラリと光らせるための戦略を知っておきましょう。
（※Amazonのアルゴリズムの詳細は非公開ですが、一般的に言われている傾向をもとに対策をお伝えしますね）

・戦う場所（カテゴリー）を賢く選びましょう

Amazon Kindleストアには無数のカテゴリーがあります。
いきなり「ビジネス・経済」のような激戦区に登録しても、有名なベストセラー本に埋もれてしまいます。
そこで、あえて少しニッチな（競合が少ない）カテゴリーを選んで登録するのも一つの出版のコツです。
KDP公式でもカテゴリー選びの重要性は触れられており、特定のカテゴリーでAmazonランキング1位になれば、「ベストセラー」のタグが付き、それが読者への強力なアピールになります。

・読者が検索しそうな「キーワード」を裏側に仕込みましょう

読者が悩みを解決しようとして、検索窓にどんな言葉を打ち込むかを想像してください。
「ダイエット」だけでなく「お腹痩せ」「40代」「自宅」など、連想される言葉をキーワードとして設定しておくことが重要です。
タイトルや説明文、そしてKDPで登録するキーワードにこれらの言葉が含まれていると、システムが「これは探している人にぴったりのコンテンツだ」と判断して、表示してくれる可能性が高まると言われています。

・最初のスタートダッシュが何より肝心です

ネット書店の仕組みは、売れている本をさらに多くの人に勧めようとする傾向があります。
つまり、発売直後にどれだけ売れるかが、その後の運命を左右するのです。
販売開始してから告知するのではなく、発売日に合わせて知り合いに声をかけたりSNSで宣伝したりして、一気に購入してもらう「お祭り」のような状態を作ることが、アルゴリズムを味方につけるコツです。

良い本を書くのは著者の仕事ですが、それを見つけてもらうのは出版戦略の仕事です。
機械の仕組みを少し意識するだけで、アナタの本が読者の前に現れる確率は劇的に高まります。
賢く立ち回り、必要な人の元へ電子書籍を届けましょう。

Q ネットやパソコンが苦手で、設定とか難しそうです。

A 難しく考える必要はありません。大切なのは「読者がどんな言葉で検索するか」という想像力です。
アナタのお客様になりそうな人が、悩んでいるときにスマホでどんな単語を入力するか。それを紙に書き出すことから始めてみてください。
その単語をKindle本の紹介文に入れるだけでも、十分な効果があります。

この章のポイント
・激戦区を避けて、1位を取りやすいカテゴリーを狙う
・読者が検索しそうなキーワードを予測して設定する
・発売直後のスタートダッシュで、Amazonランキング上昇を狙う

5 思わずクリックしてしまう「表紙・タイトル」と「目次」の作成ガイド

Amazon Kindleストアでは、読者は本の中身をパラパラとめくることができません。
判断材料になるのは、スマホの画面に表示される「表紙デザイン」「タイトル」と、試し読みで見える「目次」だけです。
この2つは、単なるラベルではなく、読者を強烈に惹きつける「広告」だと考えてください。

・タイトルには「数字」と「意外性」を盛り込みましょう

「営業の教科書」というタイトルより、「口下手でもトップになれた！3つの営業トーク」の方が、読みたくなりますよね。
具体的な「数字」を入れると信頼感が増し、「意外性（口下手なのにトップ）」を入れると興味を引きます。
これはKDPのガイドでも推奨されているテクニックの一つです。
読者が思わず「えっ、どういうこと？」「私のことかも！」と指を止めてしまうような、フックのある言葉を選びましょう。

・目次は、美味しそうな料理が並ぶ「メニュー表」です

目次を見て「第1章 基礎知識」「第2章 応用編」と書かれていても、正直あまりワクワクしませんよね。
レストランのメニューのように、「第1章 知識ゼロでも3日で身につく基礎テクニック」「第2章 誰でもプロ顔負けに見える裏技」といった具合に、各章のタイトル自体に「読むメリット（ベネフィット）」を入れ込みましょう。
目次を眺めるだけで「これなら悩み解決できそうだ」と思わせることが大切です。

・「試し読み」の最初の数ページで心を掴みましょう

多くの読者は、購入前に「試し読み」機能を使い、冒頭部分だけを読みます。
ここで挨拶や堅苦しい前置きを長く語ってはいけません。
最初の数ページで「この本にはアナタの求めている答えがありますよ」と宣言し、読者の期待を一気に高める必要があります。

タイトルや目次、表紙は、Kindle本への入り口です。
ここが魅力的でないと、どんなに素晴らしいコンテンツも読まれることはありません。
「中身が良いから大丈夫」と油断せず、入り口の看板作りにも全力を注いでください。

Q キャッチーなタイトルを付けるセンスがありません。

A センスではなく、型を真似ることから始めましょう。
Amazonの売れ筋ランキング上位にある本のタイトルをたくさん見て、「なぜこのタイトルは魅力的なのか？」を分析してみてください。
「たった〇〇で～」「9割が知らない～」「世界一やさしい～」など、よく使われている型が見つかるはずです。それを自分のテーマに当てはめてみましょう。

この章のポイント
・タイトルに数字や意外性を入れ、指を止めさせる
・目次は項目名だけでメリットが伝わる「メニュー表」にする
・試し読み部分（冒頭）で、読者の心を一気に掴む

6 「この著者から買いたい」と思わせるプロフィールの作り方

「何を書いているか」と同じくらい重要なのが、「誰が書いているか」です。
特に無名の著者の場合、読者は「この人は本当に信用できるのか？」と疑っています。
著者ページやプロフィール欄は、単なる経歴紹介の場所ではなく、アナタへの信頼と共感を生み出す大切なスペースです。
KDPの著者向けガイドでも、プロフィールを充実させることはマーケティングの基本とされています。

・輝かしい経歴だけでなく、「共感」できるエピソードを書きましょう

「〇〇大学卒業、〇〇賞受賞」といった立派な経歴も素晴らしいですが、それだけでは読者との距離は縮まりません。
「かつては私もこの悩みに苦しんでいました」という失敗談や、「あるきっかけで克服しました」という人間味のあるエピソードを加えましょう。
「この人も同じ苦労をしたんだ」という共感が、親近感と信頼を生みます。
完璧すぎる超人よりも、痛みがわかる先輩の方が相談しやすいですよね。

・「誰をどう救えるのか」という専門性を明確に示しましょう

自分は何の専門家で、読者をどんな未来に連れていけるのかを宣言してください。
「1000人の生徒を指導した実績」や「クライアントの売上を2倍にした経験」など、具体的な実績数字を入れると説得力が増します。
ただし、自慢にならないよう、「だからアナタの役にも立てます」という奉仕の姿勢を忘れないことが大切です。

・プロフィール写真は、清潔感と人柄が伝わるものを選びましょう

顔が見えない著者は、どうしても不安を与えてしまいます。
プロに撮影してもらった、清潔感のある明るい写真を使うのがベストです。
笑顔の写真は安心感を与え、キリッとした表情は信頼感を与えます。
本のテーマに合わせて、読者にどんな印象を持ってもらいたいかを考えて選びましょう。

プロフィールは、アナタという人間の「予告編」です。
ここで「この先生なら頼りになりそうだ」「優しそうな人だな」と感じてもらえれば、購入へのハードルはぐっと下がります。
恥ずかしがらずに、アナタの魅力と情熱をしっかりと伝えてください。

Q 実績と言えるほどの大きな数字がなくて不安です。

A 大きな数字である必要はありません。
「友人の相談に乗って解決した」という小さな実績でも、「たった1人でも救った経験」があれば、それは立派な専門家の証です。
また、「現在進行形で研究中」というスタンスでも構いません。等身大のアナタが、読者より「少しだけ先を行く先輩」として寄り添う姿勢を見せることが大切です。

この章のポイント
・経歴だけでなく、苦労や克服などのストーリーで共感を呼ぶ
・具体的な実績を示し、読者を助ける力があることを証明する
・写真はプロに依頼するなど、見た目の印象にもこだわる

7 KDP発売前からファンを作る「見せる」原稿作成と執筆スタイル

本が完成してから「販売しました！」と宣伝しても、反応してくれるのはごく一部の人だけかもしれません。
実は、Kindle本を売るための活動は、原稿作成中からすでに始まっています。
制作の過程をあえて公開することで、読者を「共犯者」や「応援団」に変えてしまう方法があります。
これは「プロセス・エコノミー」とも呼ばれ、KDP公式でもSNS活用は推奨されています。

・執筆の苦労や裏側をSNSなどで発信しましょう

「今日はここまで書きました」「この章の表現で悩んでいます」といったリアルタイムの状況を発信してみてください。
人は完成品だけでなく、誰かが頑張っている姿（プロセス）に惹きつけられます。
「頑張って！」と応援したくなる心理を呼び起こし、発売前からアナタに興味を持ってもらうのです。

・読者を巻き込んで、一緒に電子書籍を作り上げましょう

たとえば、「表紙のデザイン、A案とB案どっちが良いと思いますか？」とアンケートを取ってみたり、「こんな悩みについてどう思いますか？」と意見を募集してみたりしましょう。
自分の意見が採用されたり、関わったりした本に対して、人は強い愛着を感じます。
「私が一緒に作った本」と思ってもらえれば、発売日に喜んで購入してくれるはずです。

・発売日を「ゴール」ではなく「お祭り」の日にしましょう

発売日に向けて徐々に盛り上がりを作っていき、当日は「ついに出ました！」と一緒にお祝いできるような雰囲気を作りましょう。
カウントダウンを行ったり、出版記念のライブ配信をしたりするのも効果的です。
一人で静かに出版するのではなく、周りの人を巻き込んでイベント化することで、情報の広がり方は何倍にもなります。

本を書くのは孤独な作業だと思われがちですが、今はネットを使って多くの人とつながりながら進めることができます。
制作過程を見せることは、恥ずかしいことではありません。
汗をかいて頑張る姿こそが、最強のプロモーションになるのです。

Q まだ無名なので、発信しても誰も見てくれない気がします。

A 最初は反応がなくても大丈夫です。発信を続けること自体が、アナタの「本気度」を証明する記録になります。
また、ハッシュタグを活用したり、同じような悩みを持つ人の投稿に「いいね」をしたりして、少しずつ交流を広げていきましょう。
たった一人でも応援してくれる人ができれば、それは大きな力になります。

この章のポイント
・執筆中の悩みや進捗を公開し、応援したくなる状況を作る
・表紙選びや内容相談などで読者を巻き込み、当事者意識を持たせる
・発売日をイベント化し、周りと一緒に盛り上げる

8 専門コンテンツを「伝わる形」に変換する電子書籍の文章術

いくら出版戦略が完璧でも、肝心の中身が難しすぎれば、読者は途中で離脱してしまいます。
アナタの持つ高度な専門知識を、読者の心に染み込むような優しい言葉に変える「翻訳」作業が必要です。
専門家同士の会話ではなく、初めてその分野に触れる人への優しさを忘れないでください。
KDPの読者層は一般の方も多いので、専門用語を並べ立てるのはNGです。

・専門用語という「壁」を取り払い、誰でもわかる言葉に翻訳しましょう

読者は、わからない言葉が3つ続くと読むのをやめてしまうと言われています。
「アセットアロケーション」と書くのではなく「資産の配分」、「コンセンサスを得る」ではなく「合意をとる」といった具合に、中学生や小学生でも理解できる言葉に置き換えてみてください。
平易な言葉を使うことは、レベルを下げることではなく、読者への「おもてなし」なのです。

・機能やスペックではなく、読者にとっての「メリット（ベネフィット）」を語りましょう

「この成分が〇〇mg配合されています」という機能説明よりも、「これを飲めば朝スッキリ起きられます」というメリットの方が、読者の心は動きます。
知識そのものの凄さをアピールするのではなく、その知識を使うと読者の生活がどう良くなるのか、どんな嬉しい変化が訪れるのかという「情緒的価値」を伝えるようにしましょう。

・「すごい先生」ではなく「親身な相談相手」のトーンで語りかけましょう

上から目線の難しい講義よりも、隣で優しく教えてくれるような語り口の方が、今の読者には好まれます。
「こんなことも知らないの？」という態度は論外です。
「わからなくて当然ですよ」「一緒にやってみましょう」という寄り添う姿勢が、読者の安心感を生み、最後まで読み進めてもらうための鍵となります。

知識を「伝わる形」に変える工夫、それはすなわち「愛」です。
読者がストレスなく、楽しく学べるように言葉を磨くことで、アナタの専門性はより多くの人の心に届き、結果として出版活動の可能性がぐっと広がっていくはずです。
難しいことをやさしく伝えることができてこそ、真のプロフェッショナルと言えるのではないでしょうか。

Q どうすれば「伝わる形」に変えられますか？

A 専門用語を「顧客のメリット」や「エピソード」に言い換えてみてください。
たとえば、「SEO対策の最適化」という言葉なら、「お客様が迷わずアナタのお店を見つけられる看板の出し方」と言い換えるようなイメージです。
機能や理屈を説明するのではなく、それを使うとどうなれるのか、どんな良いことがあるのかをイメージさせましょう。

この章のポイント
・専門用語は使わず、日常の言葉や例え話に変換する
・機能的価値（スペック）ではなく、情緒的価値（嬉しさ・安心）を伝える
・「すごい知識」よりも「役立つ知恵」としてパッケージする

9 次のKindle出版成功につなげる「レビュー」の集め方

電子書籍が売れて読まれた後、そこで終わりにしてはいけません。
読者の感想（レビュー）は、次の読者を呼ぶための最強の武器になります。
また、一冊の本をきっかけにして、アナタのビジネス全体を加速させる仕掛けを作っておくことが、KDP収益化の最終仕上げです。

・「あとがき」で素直にレビューをお願いしましょう

読み終わった直後の読者は、最も気持ちが高ぶっている状態です。
そのタイミングである「あとがき」で、「もし少しでも役に立ったら、星評価だけでもいただけると嬉しいです」と素直にお願いしてみましょう。
人間は頼まれると応えたくなる生き物です。
※ただし、ここで注意点があります。「レビューを書いてくれたら金券をプレゼントします」といったインセンティブ（報酬）付きの依頼は、Amazonの規約で禁止されています。あくまで「もしよろしければ」という自然なお願いにとどめることが大切です。

・読者へのプレゼント（特典）を用意して、行動を促しましょう

本の中で「購入者限定の特典（チェックシートや解説動画など）」を案内するのも効果的です。
特典を受け取るために公式LINEやメルマガに登録してもらえれば、そこで直接感想を聞くこともできますし、次のセミナーや新刊の案内を送ることもできます。
Kindle本をただの読み物で終わらせず、読者とのつながりを作るツールとして活用しましょう。

・いただいたレビューには感謝し、次の活動のエネルギーにしましょう

肯定的なレビューはもちろん、時には厳しい意見をもらうこともあるかもしれません。
正直、心がチクリとすることもありますよね。
しかし、それらはすべて「反応があった」という証拠です。
批判を恐れずに、すべての声を真摯に受け止め、次の本の改善やサービスの向上に生かしていきましょう。
そうした誠実な姿勢が、さらにファンを増やすことにつながります。

レビューは、読者からの通知表であり、愛のある手紙でもあります。
多くのレビューが集まる本は、Amazonなどのシステムからも「人気がある」と判断されやすくなり、さらに表示が増える好循環を生みます。
ルールを守りながら、読者との関係を大切に育んでください。

Q レビューをお願いするのは、なんだか厚かましい気がします。

A 決して厚かましいことではありません。
読者は「面白かった」と思っても、忙しい日常に戻るとついレビューを書くのを忘れてしまうものです。
「お願いする」というのは、読者に「応援する方法」を教えてあげる親切でもあります。
「アナタの声が励みになります」と伝えれば、読者も喜んで協力してくれるはずです。

この章のポイント
・読後感が一番熱い「あとがき」で、レビュー執筆を素直に依頼する（報酬付きはNG）
・読者特典を用意して、メルマガ登録や感想送付への動線を作る
・レビューを資産として捉え、次の集客や改善に生かす

おわりに

専門知識があるのに売れない、という壁は、決して乗り越えられないものではありません。
大切なのは、視点を「自分」から「読者」へ、そして「Amazonという売り場（プラットフォーム）」へと広げていくことです。

「誰の」「どんな悩みを」「いつ」解決する電子書籍なのか。
そして、それをどうやって「見つけてもらい」「手に取ってもらい」「ファンになってもらう」のか。
これらを一つひとつ丁寧に設計していけば、アナタのKindle本は必ず必要とする人の元へ届くようになります。

アナタの持っている素晴らしい知識は、本来もっと高く評価され、多くの人を救う力を持っています。
本を通じて多くの人に感謝され、ファンに囲まれる未来は、すぐそこにあります。

今日からできる工夫を少しずつ積み重ねて、新しい一歩を踏み出してみませんか？
心から応援しています。

 

 

【改訂版】ZeroからはじめるKindle出版パーフェクトマニュアル: ～企画から執筆、電子書籍制作、出版申請、印税の稼ぎ方まで、Kindle出版の全てが学べる初心者専用ガイド！Kindle出版はこれ1冊で完璧！～」DaiGo (著), Kindleビジネス情報通信 (著), DIYマーケティングラボ (著), DIY出版 (著)のご紹介

「電子書籍で収入を得たいけど、何から始めたらいいかわからない」…そんなアナタへ。
同じように家事も仕事も頑張る仲間が、一歩踏み出して夢をかなえた秘訣がこの一冊に！
企画から出版、印税の仕組みまで、ゼロからでもわかる最新ノウハウをわかりやすく大公開。
まずはこの本で「Kindle作家」への第一歩を踏み出そう！

※画像はイメージです

 

 

 

 

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